INFOGRAPHIC:東南アジアの電力パラドックス

知るべき事

電力の輸出:東南アジアの数国は、電力を国民へ供給する前に輸出をしているのです。

これは、電力不足を解決するためのパラドックスの核心と言えます。電気グリッドが不十分な貧困国は、天然資源をどうするべきかを決める際、輸出によるキャッシュフローを優先させがちです。

2009年、ミャンマー民主化のヒントの1つに、Thein Sein大統領が挙げた、中国のMyitsoneダムプロジェクトは「人民の意志」である、という事がありました。

この計画は、Ayayarwady(Irrawaddy)川の長さを短くし、支流を中国がダムにすることでした。ミャンマーは、電力の10%を自国へ残し、90%を中国に与え、オプションで別の20%を購入する、というものです。

北ミャンマーは東南アジアの中でも最悪の電気構造で、その地から主に中国へ電力を供給しているため、組合政府がプロジェクトを正当化するには、あまりにも住民の憤慨が大きかったのです。

当時のダムプロジェクトは大きな論争を招いたものの、今年は二国間の一連の交渉で再検討されます。両国ともに、この多額なプロジェクトの解決策が得られることを熱望しています。

ミャンマーのHtin Kyaw大統領は、中国で、ある小規模な譲歩と引き換えにダムが廃絶されたという噂が起きた事で、協議するため中国に向かいました。しかし国は依然として電力が乏しく、2014年には40%に満たない人々が電気を使用している状態でした。財政赤字が拡大するにつれ、安定した収入の見通しが政府に引き付けられています。

ラオスモデル

近隣のラオスは、あたかもミャンマーと同じ道を辿っているようです。ASEAN諸国と益々結びつき、水力発電による電気の輸出を、国境を接した国々やマレーシアやシンガポールへも行なっています。

水力発電は国の象徴となっており、事実、3種類の紙幣には水力発電のダムが印刷されています。向こう数十年は、電気で国の輸出の70%を占めると予想し、政府は自己記述で「東南アジアの電池」である頁岩(けつがん)ガス生産に移っています。電気は政府を浮き足立たせ、電気で外部債務の一部を返済し始めているのです。

しかし当のラオス国内への電気は十分ではなく、輸出先の国からみると遅れており、世帯の20%以上がグリッドに接続されていないのが現状です。

これはまさに電力不足を解決しようとする国々のパラドックスです。

電力不足で貧しい国々は、自然の資源をどうするか決める前に、どうしてもキャッシュフローを優先して考えがちです。

ラオス、カンボジア、ミャンマーは最終的に追いつく計画ですが、高価な水力発電から、しばしば争いが起こる安価な石炭や石油発電へと移っていくようです。

化石

マレーシア、タイ、ベトナムは、国民への電気化は殆ど達成していますが、水力発電にこだわっているわけではありません。30年間でタイの電化率は10%から99%へ、ベトナムは2.5%から96%へ上がりました。

この3国には異なる観念があり、石油、石炭、電力の輸入を中心としたエネルギー計画もあるのです。東南アジア本土は適度な化石燃料の供給もしています。しかし、これらの産業は既に予想以上に腐敗の一途を辿っています。

ミャンマーとカンボジアは、独自の新しい石炭工場に関心を向けています。ミャンマー南部にあるDowei市は特別経済区で、石炭発電所を地元産業への提供目的として長期にわたる話し合いが持たれています。

この石炭発電所は、ミャンマーの投資家の苦情にも対処できるはずです。彼らは低賃金や環境法についてしばしば無視しますが、頻繁な停電による工場の機能停止問題があります。ミャンマーの資金補充にキャッシュと雇用は役立つものの、川に関係なく村々に電気を引くのには時間がかかりすぎるのです。

情報源の注記:可能であるなら、政府職員からのデータと一般的な見積もりを合わせての情報であるべきです。地図は教育目的のみのものです。東南アジアの多くの島々にはそれぞれ問題があり、インドネシアとマレーシアのSarawak州とSabah州については載せていません。

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